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宮脇檀の住宅


―テーブルのまわりで―


'00年5月20日〜7月15日

宮脇檀氏は、60年代後半から70年代にかけてのボックス・シリーズと呼ばれる一連の住宅設計でよく知られています。それは日本人全般にとって小住宅が理想の建築として、いわば文化の範疇で受けとめられた時期と一致します。宮脇氏はその理想を実現するために、多くの住宅設計に心血を注ぎました。
また宮脇氏は設計活動と同時に、住宅や住環境、家族、旅行といった親しみやすいテーマで多くの執筆やTV出演、講演活動をこなしたことでも知られています。その支持層は広く、宮脇氏は日本で最も親しまれ、一般の方々の住宅への関心を高めた建築家と言うことすらできるでしょう。
今回の展覧会では、宮脇氏の幅広い活動の中で生涯にわたりその中心であった住宅設計に焦点をしぼり、、「松川ボックス」、「船橋ボックス」、「ブルーボックスハウス」など代表作8点を20分の1の断面模型として新たに制作するとともに、実施図面やスケッチを展示します。また誌上に発表された81の住宅をすべて100分の1の模型として展示することにより、氏の住宅設計のテーマの変遷を一望します。
さらに中庭には実質的な処女作とも言える「もうびぃでぃっく」の屋根架構をインスタレーションとして再現します。
これらをとおして宮脇檀氏の住宅への眼差しを多角的に紹介し、その「住まい」に対する提言を現代、そして次代に向けて再評価しようと試みます。
また、この展覧会に併催のシンポジウム「モダンリビングとは何だったのか ― 宮脇檀のいた時代」では宮脇氏の住宅についての歴史的位置付けを検証し、さらに空間術講座09「世紀の変わり目の住宅 ― 過去・現在・未来」では今世紀の建築家が住宅を通して描いてきたビジョンを俯瞰し、次世紀の住宅像を展望します。
scene 1

scene 2
 撮影:ナカサ・アンド・パートナーズ
シンポジウム :「モダンリビングとは何だったのか ― 宮脇檀のいた時代」
        6月10日 草月ホール
        司会進行  植田実
        パネリスト 隈研吾、原広司、山本理顕

空間術講座09:「世紀の変わり目の住宅 ― 過去・現在・未来」
        監修 植田実、内藤廣、中村好文
        6月15日中村好文「住宅巡礼」
        6月20日青木淳「住むことと家の距離」
        6月22日塚本由晴「観察と定着」
        6月27日内藤廣「住宅について」
        6月29日木下庸子・渡辺真理「家族から住まいを考える」
        7月4日妹島和世「住むかたち」

巡回展    :「宮脇檀の住宅 ― テーブルのまわりで」
        愛知淑徳大学 2000年7月28日〜8月10日
        京都造形芸術大学 2000年9月12日〜9月24日
        金沢工業大学 2000年10月13日〜10月28日
        大阪芸術大学 2000年11月9日〜11月16日
        東北工業大学 11月27日〜12月15日
        北九州市立美術館 2000年12月26日〜2001年3月25日


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