'93年1月23日〜2月27日
帯状の画帖に描きこまれたおびただしいスケッチ.これらは天井近くを浮遊するかのように,また両側の壁に,縦に横に連ねて展示されている.あくことなく描き続けたイメージ・スケッチが会場に渦巻いている.日本で建築を学んだ韓国の巨匠が残したこれらのスケッチから,今もその息遣いが伝わってくる.キムの建築は,実際にその場を訪ねなければ体感しにくい.過剰な表現は近付くにしたがって消え,自然そのものの空間だけが残される.早すぎた死,彼を慕う人々によって構成されたこの展覧会は,熱っぽく語りかける.
藤塚光政撮影
シンポジウム: キム・スグンの空間
1月23日 東京・草月ホール
(キム・カンヒョン,椎名政夫
,松葉一清,リー・キョンソン)
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