'94年9月10日〜10月22日
新たに上下2層に拡大された会場に,16個のオブジェが林立している.一見してそれらは建築模型などではなく,彫刻として完結していることが理解できる.磨き澄まされたスティール・シートがたわめられ,両側の石の支柱に一点で接して危うくバランスを保っている.一方で,編棒のような細いスティールの支柱が,大きな石のキューブをその先端に載せている.物体同士が無言で詩情豊かなサーカスといった趣である.不安定感を絶妙なバランスで保っているその展示は,カラトラヴァの建築同様,ダイナミズムに満ちている.
藤塚光政撮影
講演会 : 均衡のダイナミズム
9月10日 東京・草月ホール
9月13日 北九州・北九州国際会議場
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