ギャラリー・間10周年記念 出展作家の原点作品展
菊竹清訓

スカイハウス

1958年
作品写真
(藤塚光政撮影)

私は、まず自分自身の住宅を考えることから始めた。
建築の基本が住宅だとすれば、活動の最初に住宅からとりかかるのが筋だと思ったからである。
住宅での問題は、3つある。まず第一は生活の選択が自由にできる空間を構造的に強く打ち出すこと。第二は、設備技術や装置の更新や移動に十分対応できること。第三は、家族の規模や年令からくるライフ・スタイルの変化を受け入れること。特に子供のスペースをどう確保していくかが問題である。いずれも伝統的な日本の木造住宅の内容を、コンクリート・鉄・ガラスという近代材料におきかえ、どう現代に引き継ぐかである。
「Metabolism」をまず住宅で表現し、証明することを考えた。1958年に完成した「スカイハウス」を基盤にして、つづいて「塔状都市」、「海上都市」の構想にすすみ、さらに今日その総決算として「エコポリス」の環境を目指している。こう考えると、40年前のスカイハウスは、私の建築の思想の原点ということになる。


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