未来学者であり、インドのシンクタンクとも言われる人物をクライアントにもつ「スリヤ・クンド(太陽の広場)」は、人々が思索を巡らせたり、自己の精神の浄化を図る場所としてつくられた。「クンド」とは、寺院に参った信者たちの身体を清める神聖な場所であり、その形状はもともと古代アーリア人の曼陀羅から来ている。古代曼陀羅思想では、建築は宇宙のモデルと見なされていた。インドに見られる他のさまざまな側面と同様、この曼陀羅模様も歴史的な奥行と現代的な斬新さ、現実性と比喩性の両方を併せもっている。「スリヤ・クンド」の配置については、周囲の環境に対応するうちに自ずから決定した。堀に囲まれた中央のスペースは、人々が語り合うための場所である。広場の中心には、ビンドゥ(あらゆるエネルギーの源)を象徴するシュリー・ヤントラ(図象)が描かれている。