キッチンや洗面所で毎日使うシングルレバー混合水栓。
実はこれ、レバー真ん中の位置だとお湯が出ることを知っていますか?
普段、つい無意識で使ってしまうことが多いけど
そのたびに給湯機が着火しているのはもったいない!
今回はそんな無駄をなくすための画期的な新商品
エコシングル水栓について
水栓ひとすじ15年の浜崎正直さんが語ります。

浜崎 正直(はまさきまさなお)
水栓開発センター
水栓商品企画グループ/企画チームリーダー
金具事業部(現・水栓事業部)に配属。
以来、ずっと水栓の企画開発に携わる。
大学の工学部では金属材料工学を専攻。
TOTOはトイレが圧倒的に有名ですが
キッチン、洗面所、浴室と水全般の商品を作っています。
そのすべてに関わってくるのが水栓金具。
それも節水、節湯(せつゆ)といったグリーン商品にとっては要のような存在。
地味ですが、実はとても大事な部分を担っています。
今回のエコシングル水栓も
知らず知らずのうちに節湯できるのはもちろんのこと
どうすれば節湯を意識してもらえるのか。
それらを考え抜いた末の新商品です。
では、どこが従来のシングルレバー混合栓と違うのか。
まず普段よく使うレバー真ん中の位置では
水が出るように温度調節ができる領域を変えました。
えっ、それがどうしたのと思われるかもしれません。
でもいままでの一般的なシングル水栓では
レバーの真ん中だとお湯が出ていたんですね。
たとえばしゃもじをちょっと濡らす。
そんなときでも給湯機が着火していることもあるのです。
すると使われなかった湯は配管の中で水になってしまう。
この無駄をなんとかなくしたい。
しかもいままでと同じ使い方で。
そのためにはレバー真ん中では水が出るのが望ましい。
誰もが無意識に無駄なお湯を削減できる。
そんな水栓を作りたかったのです。
実はその考え方自体は前から社内であったのですが
どの位置で操作しても快適な水量を保ちながら
水と湯の吐水配分を変えるというのは構造的にかなり難しい。
そのためのアイデアだけでも22パターン。
4年以上、ありとあらゆる試行錯誤を繰り返しました。
途中で頓挫したことも数え切れないほど。
関連部署の誰もが本当によくがんばりましたね。

従来のシングルレバー混合栓では、レバー真ん中では水と湯が混ざって出るため、気づかないうちに給湯機が着火していることがあります。

エコシングル水栓では、よく使われるレバー真ん中では水だけが出るので、無意識に真ん中で使っても給湯機が着火しません。
さらに、水と湯の境目がはっきり分かるように
カチッと軽快なクリック感を付けました。
これ、実はかなりこだわった部分です。
というのも、社員の奥さまたちへの調査でも
レバーの真ん中部分での吐水について
「水だと思っていた」「意識すらしてなかった」という方が約3割も。
一般の方だと約半分がそう。
その結果を知って私たちはびっくりしたわけです。
我々が常識だと思っていたことが、世間では意外と知られていなかった。
これはなんとかしないといけない。
いまお湯を使っているから給湯機が着火していますよ。
そのことを誰もが分かるようにしたい。
そのためには水と湯の境目を分かりやすいように
手ごたえ、つまりクリック感をつければいいのではないかと。
そうすれば家族みんながお湯の無駄遣いを防げますよね。
使いやすさ、分かりやすさがecoには何より大事。
このクリック感を付ける工程でまたひと苦労するのですが(泣)。
ようやくTOTOならではのecoな水栓の完成です。
苦労しただけにこの新商品に対する思い入れも強いですね。

エコシングル水栓でよりeco意識を持ってもらえるようにと、レバーのトップにecoと記されている。
この業界初のエコシングル水栓が
いよいよ8月に発売されることになりました。
おかげさまでまわりの反応も上々です。
特にクリック感が「これいいよね~」と大評判。
地味な水栓商品としては、珍しいくらいの反響の良さです。
お値段もお手ごろ価格で取り換えも簡単。
そう、水栓ってすぐ取り換えられるんですよ。
試算では、お湯の使用量を年平均で約16%カット。
キッチンなら年間約4680円、洗面なら約2270円お得。
もちろん無駄なCO2も削減できる。
なにより家族みんなで
知らず知らずのうちにecoに貢献できるのが大きい。
いままで水栓におけるecoの概念としては
主に時間(こまめに出し止めする)と量(最適流量が少ない)の2つでしたが
このエコシングル水栓は第3の概念を作ったと思っています。
それは節湯(せつゆ)意識を喚起できる商品であること。
しかもすごく分かりやすく。
その意味でも画期的な新商品だと自負しています。
いずれ世界にも発信したい商品ですが
まずはぜひみなさんに試して、使ってみてもらいたい。
しつこいようですが
水栓は簡単に取り換えられるんですから(笑)。

エコシングル水栓は、水栓単体での取り替えも可能。

エコシングル水栓の目に見えないeco力の高さを説明してくれた浜崎正直さん。
この技術を搭載している商品は・・
- 水と湯をきちんと使い分け
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河西 淳(かわにしあつし)
システム商品営業推進部
キッチン洗面商品営業グループ/企画主査

使いやすい台形の洗面ボウルは、その形のために作ることが困難で開発チームが苦労して完成。

顔を洗うとき、ひじまで洗面ボウルの上に収まる。ひじから床への水だれ問題を解決。