「節水」と「洗浄感」を両立した、ウォシュレットのおしり洗浄

おしりに当たる水の“カタチ”にもこだわる技術

2025.2.19

「おしりを洗う」という新たな生活文化を提案し、根付かせてきたTOTOの温水洗浄便座「ウォシュレットⓇ」(※1)。一見、ただ一直線の吐水のように見えるその洗浄水は、実は水玉の連続。優れた洗浄性能のもと、節水と洗浄感を両立させているのは、TOTO独自の水のカタチにまでこだわった技術なのです。
今回はパブリック向けウォシュレットを含むさまざまな機種のウォシュレットに搭載されている、おしり洗浄の精緻なテクノロジーをご紹介します。

※1 :「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です

進化を続ける「おしり洗浄」 吐水技術

1980年のウォシュレット発売以降、TOTOでは常に、「洗浄水量の節水化」と「洗い心地の向上」の両立を目指して、新たな技術の研究・開発を推し進めてきました。
従来、湯水をたっぷりと使った、強い洗い心地がウォシュレットの特長でした。しかし、湯水を連続して出し続けるため、水勢を最大にして使うと十数秒で湯切れし、洗浄水が冷たくなってしまうという課題がありました。その課題を解決するために生み出されたのが、水を玉状に間引き吐水するTOTO独自の吐水形態制御技術です。水玉を高速で連射する吐水方式により、しっかりとした洗い心地を実現するとともに、洗浄水量を従来の半分以下に抑えることに成功したのです。

「速い水玉」と「遅い水玉」の合体が生む、「大きな水の塊」

TOTO独自の吐水形態制御技術は、高速連射された水玉に速度差を与え、先に出た「遅い水玉」に、後から出てきた「速い水玉」が追いついて合体し「大きな水の塊」を形成させるという画期的な方法です。この「大きな水の塊」は、一秒間に数十個も作られ、ちょうどおしりの位置で着水させるように設計しています。
「速すぎる動きは感知されない」という人間の皮膚感覚のメカニズムに着目し、これにより使用者は一粒一粒の水玉を感じることなく、連続的な洗い心地を得られるのです。さらに、水玉が合体した「大きな水の塊」がおしりにあたることで、“強さ”がアップし、たっぷりとした“量感”を得ることができます。
もちろん、その実現には、精緻な設計や製造技術が求められます。例えば、ノズルの吐水の穴の大きさが0.1mmでも変わると、大きく流速が変動してしまいます。TOTOでは、ノズルの製造においては、ラインの最後に必ず全品検査を行い、狙いの位置や強さで吐水をしているか確認しています。

「空気」と「水」を制御し、速度の異なる水玉を連射する技術

速度の異なる水玉を連射させる技術のうち、電気制御のポンプで水を加圧する「エアインワンダーウェーブ洗浄」(※2)は、ウォシュレット一体形便器のネオレストやウォシュレットアプリコットに搭載されています。
一方、パブリック向けウォシュレット(※3)などでは、電気を使わず、「空気」と「水」の密度差から速度の異なる水玉を連射する「バルーンジェット技術」を使用した洗浄が採用されています。本洗浄技術は、ノズル内に「空気」と「水」それぞれの吸入口を持つ数ミリ程度の小部屋のような構造を備え、そこに噴流を通すことで、この小部屋内でバルーン状の気泡が成長しては消える、の繰り返しを発生させるというもの。その小部屋を通る噴流は、大きな密度の違いを持つ「水」と「空気」の抵抗差により周期的に変化し、「遅い水玉」に「速い水玉」が追いつき、「大きな水の塊」を形成します。これにより、節水しながら、快適な洗い心地を実現します。
TOTOは今後もさまざまな流体制御技術の開発(※4)に積極的に取り組み、安定した吐水の品質をお客様に提供してまいります。

※2:エアインワンダーウェーブの詳細はこちら
※3:主なパブリック向けウォシュレットについての商品詳細はこちら
※4:今回ご紹介した吐水技術の受賞詳細はこちら
※参考:TOTO公式note 「おしりに当たる水の“カタチ”にもこだわる研究者
~ウォシュレットⓇ「アプリコット」誕生から25周年~」
https://note.com/toto_ltd/n/n6cb7bdfa10db

今後も、TOTOの商品における技術をご紹介していきます。施設では、ご紹介した技術の体感展示もございます。より詳しい情報は、テクニカルセンターご来場の際に、専用スタッフよりご説明させていただきます。またこのサイトへのご意見ご要望がありましたら自由にご記入ください。

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