Philosophy 先人の言葉 TOTOを支えた先人の言葉は、革新と挑戦の原点となり、これからも生き続ける。
TOTO初代社長 大倉和親 - Kazuchika Okura -

大倉和親は森村組に入社し、主力商品である陶磁器の奥深い魅力に
触れ、飽くなき理想追求の道に踏み込みます。

その結果、父 孫兵衛とともに興した日本陶器(現ノリタケカンパニー
リミテド)の初代社長就任をはじめとしてTOTO、日本ガイシを創立、
日本特殊陶業の起業を促し、現在に至るセラミックス王国の基礎を
築きました。

「良品の供給、需要家の満足が大切」

良品の供給、需要家の満足が掴(つか)むべき実体です。此の実体を握り得れば利益・報酬として影が映ります。
利益という影を追う人が世の中には多いもので、一生実体を捕らえられずして終わります。

「我を越すものがなくなったときが心配」

一番心配になります点は、何ごとによらずナンバー・ワンすなわち我をこすものはなしとなったとき、
とかく自負心が起こりやすいもので、窯業界中のお山の大将となり、とりわけ名古屋という一地方であり、
瀬戸、美濃地方中小工業を付近に見ているがために、知らず知らずのうちに心のゆるみが起こりやすい
ことであります。 これらの同業者は一生懸命にわれわれを目標として、中にはわれわれ以上の工夫を
しているので、当方に少しでも油断があった場合には、これ恐るべき慢心の欠陥に乗ぜられ、知らぬ知らぬ
うちに彼らに先を越せれぬとは限りませぬ。

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  • 定礎の辞
    1917年、大倉和親が小倉工場を建設するにあたり、起草した定礎の辞。「この工場から欧州よりも優れた商品を生み出し、世界へ羽ばたく」と創業に対する並々ならぬ決意が記されています。
  • 二代目社長への書簡
    事業者が求めるべきは顧客の満足であり、利益はその影のようなものだと説いた大倉和親の言葉は、歴代の経営者に、絶えまなく受け継がれています。
  • ドイツからの書簡
    和親はドイツでトンネル窯を視察し、高い熱効率や焼成時間の短縮効果に驚き、その必要性を伝えた貴重な書簡です。
  • ドレスラー式トンネル窯第一号築窯
    和親が私財を投じてイギリスから導入したドレスラー式トンネル窯は、1919年1月からおよそ1年をかけて築かれました。写真は1920年1月の完成記念。